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「パブリック・エネミーズ」「ゼロの焦点」「2012」 [映画]

「パブリック・エネミーズ」「ゼロの焦点」「2012」


 いずれも去年の12月に観たまま記事にしていませんでした。

 「パブリック・エネミーズ」は1930年代のアメリカに
実在した犯罪者を描いたもの。

 「ゼロの焦点」は戦後の日本を舞台にした松本清張原作の
推理小説が原作。

 「2012」は2012年に起こる天変地異によって人類の
ほとんどが滅亡するという空想の世界。

 観ているこちらの日常とはかけ離れた話ですが、視覚的な
部分でそれぞれ趣向を凝らして時代の雰囲気や独自の世界観を
描いていたのが興味深かったです。

 一流のスタッフ・キャストによって作られており及第点だとは
思いますが、琴線に触れるほど際立った作品はありませんでした。

 以下、例によってネタばれの場合もありますのでご了承の上
お読みください。


 「パブリック・エネミーズ」

 ジョニー・デップのファンという訳ではないトシにとっては
ごく普通の映画でした。

 実録ものですが、セリフやちょっとしたエピソードがいかにも
映画用に脚色された感じでした。

 脱獄や銀行強盗が意外と簡単そうに見えました。頭の悪いトシは
刑務所や警察に協力者がいるからだろうと推測しつつもからくりが
良く分からないままでした。

 「自分の捜査本部をアポなし訪問するデリンジャー」の場面には
笑えました。主要な捜査官が出払っていたとはいえ、誰も彼に
気付かないとは。


 「ゼロの焦点」

 「広末涼子、中谷美紀、木村多江の3大女優共演」というのが
最大の売りで、確かに3人の演技を見て感心することはできます。

 松本清張の生誕100年を記念して制作された、おそらく関係者に
とっては深い思い入れのある作品かもしれません。

 そして小説としては原作者の代表作と言える名作なのでしょう。
(トシは読んでいません)

 しかしこの原作で描かれる時代背景がピンと来ない観客も多い
はずです。トシも頭では理解できても実体験を伴わないので
遠い昔の話としか感じられません。

 なぜ今、「ゼロの焦点」を映画化したのか。この作品を通じて
観客に何を伝えたかったのか。それが不明です。

 トシは現代社会との接点が見いだせなくて、あまりその世界に
入って行けませんでした。

 最後まで見て、物語の全体像が見えてもやっぱり「で、何が
言いたかったの?」という疑問は残りました。

 トシが鈍いのかもしれませんが、作り手からのメッセージが
何も伝わってきませんでした。

 物語について言うと、人殺しの動機が「消し去りたい過去があり、
そのために邪魔になった人物を闇に葬る」というものです。

 これって、同じ原作者の「砂の器」と構造が一緒でした。

 そう言えば原作者は違うけれど角川映画のヒット作「人間の証明」
もそんな話でした。

 そういう動機で人が殺せるものなのかどうか良く分かりませんが
作家の先生的には「あり」なのでしょう。

 本筋とは関係ありませんが、売春婦を取り締まる進駐軍の一人が、
捕まえそこなった売春婦に対して「サノバビッチ!」と言い捨てる
場面が笑えました。

 英語のスラングで定型化した罵り言葉なのでしょうが、直訳
すると「売女(ばいた)の息子め!」とでもなる言葉を、売春婦
に向かって言うのって不思議な感じでした。


 「2012」

 いまいちだった「日本沈没」や「ノウイング」を見て感じた
もやもやを吹き飛ばしてくれるような、見せ場たっぷりの映画でした。

 主人公の家族構成や距離感、危機脱出の過程で父親らしさを発揮して
家族から見直される物語は「宇宙戦争」に似ています。

 「宇宙戦争」同様に主人公の目を通して見た大災害というものが
良く描かれていました。

 第三者的な視線ではなく当事者の視線で疑似体験するような
迫力を感じました。

 やっぱりこういう話を観客の共感を呼びながら効果的に見せるには
話の構造が似てしまうのは仕方がないのかもしれません。 

 それにしても主人公であるお父さん、ジェームズ・ボンドと
いい勝負になるほどの強運の持ち主です。

 普通なら命がいくつあっても足りない状況から、必ず危機一髪で
脱出します。最初から荒唐無稽な話だと思って見ているので
どんなにご都合主義でも許せてしまう気がしました。

 極めつけは飛行機で「方舟」を目指す場面です。ハワイで燃料を
補給しなければたどり着けない彼方にあるのですが、あいにく
ハワイは壊滅状態。

 普通なら万事休すです。ところが!!方舟を建設していた山脈が、
(確かチベットにあったのに)無傷で、何千キロも水平移動して
主人公たちの目の前に現れます。そこまでやるか!

 いや、どうせ嘘の話なんだから徹底的にやってくれて結構です!

 最後の方で、方舟のハッチが閉まらないというトラブルが発生。
よくあるパターンだと誰かが自分の命と引き換えに問題を解決して
大勢の命を救う、みたいな展開になります。

 しかしそこは「強運の持ち主」のお父さん。問題を解決し、
そして生還します。「うちのパパ、やっぱりすごい!」となって
めでたしめでたしでした。

 世界の何十億人もの人々が犠牲になる映画ではありますが、
助け合うことの尊さも描かれており、観終わって暗い気分になる
ことはありませんでした。


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