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落書きを謝りに行った短大生 [ちょっといい話]

落書きを謝りに行った短大生

 世界遺産「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の落書き問題で、
落書きした当事者に対する非難の声が上がっています。

 いまや日本全国で新たな「犯人捜し」や当事者に対する「厳罰処分」の
検討といった気運が高まっています。

 確かに落書きは悪いことだし、軽率な行動を取る日本人に対してトシも
日本の恥さらしだと感じました。

 しかしこの問題、マスコミが煽り過ぎの感もあります。

 ある記事によると、大聖堂の落書きのうち9割は日本人以外のものと
見られるそうです。落書きは昨日今日に始まったことではないでしょうし、
もしもこの件が日本でだけ大騒ぎになっているとしたらマスコミの影響
以外の何物でもないでしょう。

 日本中が落書き問題にフィーバー(熱狂)しているのとは対照的に、
落書きされた大聖堂やフィレンツェ市の対応は当初から冷静かつ寛大でした。

 一番最初に報じられた岐阜市の短大生に対して、「非を認めて謝ったの
だから一件落着。修繕費用は請求しない。」という態度を貫きました。

 それでもやっぱり事の重大さを認識した当の短大生は済まない気持ちで
いっぱいだったのでしょう。一人が学長に引率されてフィレンツェ市
まで謝罪に出向き、落書きした学生同士で出し合ったお金600ユーロを
大聖堂に寄付したとのことです。

 自分の非を認める。きちんと謝る。立派なことではないですか。その
誠意は相手に十分に伝わったと思います。

 世の中に偽装や汚職が蔓延し、発覚して追及された当事者が苦しい
言い逃れをするのを見て辟易している今日この頃ですが、そんな中で
正直者の日本人の潔さを感じさせるニュースでした。

 そしておまけが。岐阜市と姉妹都市関係にあるフィレンツェ市が、
短大生らを平和大使に任命しました。

 参考:http://sankei.jp.msn.com/life/environment/080711/env0807111048002-n1.htm

 これをきっかけに両市の友好関係がさらに深まるといいですね。

 それはそうと、このニュースを報じたいくつかの記事の見出しに
「号泣謝罪」とありますが、これは余計ではないでしょうか。芸能人の
沢尻エリカや倖田來未らと同じ印象を受けてしまいます。

 世の中をナメた態度や軽率発言→マスコミで大きく取り上げられて
批判を浴びる→売れなくなる危機感→(弁解の機会として)テレビの
インタビューを設定→(演技かどうかは分からないけれど)号泣謝罪
→“みそぎ”が成立

 芸能人の号泣謝罪が大きく報じられること自体が胡散臭く感じられて
しまうのです。

 人気商売と関係のない短大生のニュースでこういう表現を使うことに
違和感を覚えたのはトシだけでしょうか。


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テレビ電話にお辞儀 [ちょっといい話]

テレビ電話にお辞儀

 ちょっと微笑ましい光景に出くわしました。

 場所は常磐線松戸駅西口近くにある、大都会というセルフサービスの
居酒屋です。

 生ビール1杯が280円。焼酎やワインなら1杯180円で飲めます。
おつまみは1品180円から。450円からの定食、300円程度の麺類も
あります。

 安いだけあって期待できる内容ではないのですが、とにかく安い値段で
ちょっと飲んで帰りたい向きには最適の店です。

 24時間営業だったかどうか記憶が定かではありませんが、一晩中営業
しているので終電を逃したらそこで朝まで時間をつぶすことも可能です。

 トシはアルバイトの帰りがけに、時間に余裕があれば立ち寄ることが
あります。飲み物2杯とおつまみ数品程度で、だいたい1000円ぐらい
使って帰ります。

 先日のこと。時間は夜中の12時を回った頃でしょうか。

 トシの近くの席にいたサラリーマン風の二人組み。30歳前後で、会話の
内容からして会社の先輩と後輩のようです。

 酔っ払ってはいませんがすでにいい感じで飲み続けていた雰囲気です。
会話が盛り上がってきたところで、改めて乾杯しようということになった
ようです。

 二人して食券を買って、黒生ビールと交換。そこで、後輩の方が
「すみません、ちょっと家に電話していいですか」と携帯電話を取り
出します。奥さんに一言わびを入れておきたいようです。

 「ごめんな、こんなに遅くまでつき合わして。俺のせいにしていいから。」
と先輩。

 奥さんがなかなか電話に出ません。すでに床に入っていたようです。

 電話がつながりました。なんと、後輩氏が持っていたのはテレビ電話機能の
ある携帯電話でした。もちろん奥さんの方も。

 怪しい店で飲んでいるのではないことを証明するのにこんなに便利な
道具はありません。

 先輩氏が後輩氏の横に立ち「すいませ~ん。僕が引き止めたんでこんな
時間になってしまいました。本当、悪い先輩ですみません。」とぺこり。

 後輩氏もカメラに向かってぺこり。奥さんは怒っていないようです。
スピーカーから聞こえてくる声は穏やかでした。

 奥さんの許しを得たところで先輩と後輩はカメラに向かって乾杯。
その後も二人はしつこいぐらいにカメラに向かってぺこぺことお辞儀を
繰り返しながら謝り続け、「必ず終電までに帰ります」と念を押します。

 きっと仲のいい夫婦なんだろうな、そしていい先輩後輩の関係なんだろう
なと、見ていてちょっと楽しくなりました。


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