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「おっぱいバレー」「おくりびと」「イエスマン」 [映画]

「おっぱいバレー」「おくりびと」「イエスマン」


 今回の3本はまず第一に老若男女誰もが見て楽しめる映画です。
また、人の生き方について考えさせるテーマを娯楽性の中で
うまく描いていて、見終わっても心に残るものがあります。
そして登場するヒロインが三者三様の魅力がありました。


 以下、例によってネタばれの場合もありますのでご了承の上
お読みください。



 「おっぱいバレー」


 劇場窓口で「おっぱいバレー」と言うのがちょっと恥ずかしかった
トシですが同じように感じた人も少なくないのではないでしょうか。

 思わせぶりな題とは裏腹にお色気シーンは皆無。「ヤッターマン」が
子供向け映画の体裁とは裏腹に深田恭子のお色気が楽しめたのとは
好対照です。

 綾瀬はるか主演で題が「おっぱいバレー」だと巨乳のバレー選手の
話か?と一瞬考えてしまいます。たとえ脱がなくても目の保養には
なるのでは・・・と期待したら絶対に裏切られます。

 「ヤッターマン」は大ヒットし、「おっぱいバレー」は不振だった
そうです。全く違う題材を描いた映画なので単純な比較はできませんが
興行成績とさっき書いたことが無関係とは思えません。

 それはさておき、トシは綾瀬はるかのファンなのでお色気シーンの
有無とは関係なく彼女が出ている映画として見てきました。


 中学校の弱小男子バレー部の生徒たちが死に物狂いで練習に励む、
その原動力が顧問のおっぱいを見ることとは・・・微笑ましいような、
情けないような。

 目的が何であれ、ひとつのことに打ち込んで頑張ることは価値が
ある。それをこの映画では描いています。

 あと、ヒロインが教師を目指したいきさつや、誰にでも一度や二度は
経験があるような過去の過ちに悩みながらもそれを克服しようとする
真摯な姿が心に響きます。

 男子バレー部の生徒たちの興味があくまでもおっぱいであって
女子生徒に恋をしたりするわけではないこと、先生は先生で元彼と
よりを戻す機会があったにもかかわらずそうしないこと。同僚の
教師が明らかに彼女に気があるのに知ってか知らずか素っ気ない
態度を取ること。

 見た目の色気だけでなく、恋愛といった心の色気さえも「外し」て
いることがこの映画を淡白なものにしています。

 悪くない映画だとは思うけれど、かといって人に強く勧めるほど
でもない、中途半端な映画でした。

 

 「おくりびと」


 数々の映画賞を受賞し、評判が評判を呼び息の長いヒットになった
映画です。

 

 納棺師という、あまりなじみのない職業に焦点を当てた企画は
異色ですが、だからこそ今までにない視点から死や家族の絆について
描くことができて成功していると思います。

 人の死に関わる職業に厳かさが求められるのは当然ですが、だからと
いって映画が厳粛で暗いものである必要はありません。

 死にまつわる話題を提供しながらもユーモアを忘れない独特の雰囲気が
「おくりびと」にはあって、それが観客の心を惹きつけています。

 随所に笑いを散りばめながらもところどころに人情味あふれる場面を
入れてほろりとさせる、いかにも松竹映画らしい作品と言えます。

 

 本木雅弘・広末涼子の夫婦、山崎努の社長がそれぞれ異なった魅力が
あったし、他の登場人物も個性的でいい味わいがありました。

 トシは個人的には広末涼子の起用がこの映画には重要だったと思います。

 今回の出演者はみんなが適役だったことを認めつつも他の役は演技の
上手い俳優がやれば違う役者さんでもきっとうまくいっていたと思います。

 しかし「おくりびと」では広末涼子の存在感・持ち味が映画の味わいを
左右したといってもいいのではないでしょうか。

 夫は自分一人で何でも抱え込んでしまう人。金銭的なことから何まで、
妻に相談もせず一人で悩み、一人で決断する。

 そんな夫を一方的に責めたりはせず心の支えに徹する妻。それでいて
重要な局面では言うべきことをちゃんと言う。

 心のオアシス。外でどんなにつらい目に遭っても家に帰れば妻が
癒してくれる。根掘り葉掘り聞いたりはしないが苦しみを理解し
陰で支えてくれる。

 日本の女房の鑑ともいうべき妻を広末涼子が好演していました。

 芝居がどうのこうのという以前に、その存在自体に癒しを感じました。
自然体というか、普通にいそうな雰囲気がいいです。

 納棺師という夫の仕事に最初は拒否反応を示すものの、次第に理解し
受け入れようとする。そして夫を誇りにさえ思うようになる。

 心の変化を具体的に語るセリフはないのですが映し出される顔を
見ているとそう解釈できるような映画になっています。

 そして監督の演出意図に応えていい表情を見せてくれました。

 この女房役だけは他の役者さんが演じていたら(演技がどんなに上手
だったとしても)全く違った味わいになったのではないかと思うし
広末涼子だったからこそトシの心に響いたと言える映画でした。

 

「イエスマン」


 「“YES”は人生のパスワード」という副題が付いています。

「実り多い幸せな人生にするためには積極的に“イエス”と答えましょう」
という趣旨ですが、この映画は誇張して面白おかしく描きながらも
真実をうまく伝えていると思いました。


 ジム・キャリー演じる主人公は最初は人づきあいが悪い、仕事でも
何でも断る理由ばかり考えている人間として描かれます。

 その結果親友と呼べる相手もいないし離婚してからは恋人もできず、
出世もしない無味乾燥の日々を送ってます。

 それが、無理やり連れて行かれた自己啓発セミナーをきっかけに
何でも“イエス”と答えることになり、仕方なくそうしていたにも
かかわらず人生がいい方向へ向かうという訳です。

 恋人ができる。仕事ぶりが評価される。人脈も広がり、人生を楽しむ
ことができるようになります。

 やがては強制されてではなく自分の意志で前向きに生きるようになり
人助けをしたり逆に築いた人脈のおかげで窮地を救ってもらったり。

 ホームレス、ライブハウスのチラシ、ギター、飛行機の操縦、韓国語教室、
イスラム教徒との見合いなど、“イエス”と答えることによって関わった
諸々のことが伏線となって後で活きてくる脚本がいいです。

 ゾーイ・デシャネル演じるヒロインが魅力的です。「ハプニング」も
良かったけれど「イエスマン」での彼女の方が個性的で、自由奔放な
生き方をしている雰囲気が良く出ていました。

 前向きに生きる主人公と自分らしく生きるヒロインとの組み合わせが
実によかったです。


 3作品見てそれぞれのヒロインに三者三様の魅力を感じたトシです。

 役者さんの好みではなく役柄の比較で言えば、恋人にしたいのが
「イエスマン」、女房にしたいのが「おくりびと」。

 「おっぱいバレー」の先生は?もし自分が中学生に戻ったら、やっぱり
こんな先生に憧れていたかもしれません。

 それにしても中学生だから「おっぱい見せて」程度で済んだものの
高校生だったらもっと違ったことを求めていたのかな?と、余計な
心配をしてしまいました。

  でも過激な要求の方が即座に断れたとも言えます。微妙なところを
狙ったあの中学生のせこい作戦に脱帽です。


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