SSブログ

「ランボー 最後の戦場」 [映画]

「ランボー 最後の戦場」

 「ロッキー」シリーズと並んでシルベスター・スタローンの代表作と
いえるシリーズの最新作。これが最後だそうです(一応?)。

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。


 

 勧善懲悪の単純な物語で構成され、ランボーが悪い奴らを片っ端から
やっつけていくところが見せ場になっています。

 本来ならランボーの活躍に拍手喝采を送ってすっきりした気分で
映画館を後にしたいところですが、爽快感はありませんでした。

 敵(ミャンマー軍)のやっている残虐行為はめちゃくちゃで鬼畜
としか言いようがありません。

 しかしなんだか絵空事に見えてしまいます。それは、ミャンマー軍・
虐殺される民衆(カレン族)のどちら側の人格も描かれていないからです。

 なんだか「猿の惑星」で猿たちが人間狩りを楽しんでいる光景を
見ているような気分になりました。

 アメリカ人から見たらミャンマーの現状は遠いアジアの国の、自分たち
とは直接関係のない話としてしか思われていないのではないか、
映画を見ながらそんな気がしました。

 慈善事業をするためにミャンマー入りしたアメリカ人が拉致されて、
ようやく現実の話として何とかしなければという展開になります。

 たまたま(?)タイとミャンマーの国境付近で生活していた
ランボーが関わることになり、戦士として立ち上がるという訳です。

 それでもやっぱりミャンマー軍が拉致した民間人をどうしたいのか、
人質を何か政治的に利用しようとしているのか、意図が全く不明です。

 相手の目的が分かってこそ、それを阻止することの重要さが強調され
作戦が成功した達成感が得られるのではないでしょうか。

 脚本が練れていないというか、薄っぺらな内容だと思いました。
最後に反乱軍が登場してミャンマー軍と銃撃戦を始めるのも唐突です。

 ミャンマーの軍事政権が国民を苦しめていることに着目した点は
いいのですが、物語はあえて現実に踏み込まず、上辺だけ接点を
持たせた当たり障りのないものになっていました。

 今回シルベスター・スタローンは脚本・監督・主演の3役を
こなしていますが、脚本・監督は誰かに任せて演技に専念した方が
よかったのではないかと思います。

 裏アカデミー賞とも呼ばれる、最低の映画を選ぶラジー賞の
常連であるスタローンですが、09年のラジー賞でも何らかの
賞を受賞することになるのではないでしょうか。   


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。