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「ザ・マジックアワー」 [映画]

「ザ・マジックアワー」


 トシは「僕の彼女はサイボーグ」を見て綾瀬はるかの大ファンに
なってしまいました。

 今回は主役ではありませんが彼女が出演しているからという
動機で「ザ・マジックアワー」を見てきました。

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。


 


 笑いのつぼをしっかり押さえた映画で、そこそこ楽しめました。
 
 でも物語やドタバタで見せる映画ではなく、あくまでも役者さんの
芝居で笑わせる映画でした。なぜか映画ではなくお芝居を見た
ような感じがしました。

 物語はかなり嘘っぽく、展開は唐突で強引、ご都合主義的です。
ギャングが出てきて銃撃戦もあるのに誰も死なないし弾に当たって
けがをすることさえありません。

 このあたりがやはり架空の町を舞台にしたお芝居といった趣で、
セットのデザインや衣装・メイクのレトロな雰囲気と相まって
ある種独特の世界を作り上げています。

 劇中、「映画のセットのような街」「映画の1シーンを見ているよう」
といったセリフがあります。

 この映画のためにスタジオに作られた守加護(SUCAGO)の
街並み。これがヨーロッパの古い街並みを連想させるデザインで
なかなか良くできています。

 外観だけでなく建物の中身も作ってあるのがすごいです。

 で、登場人物の行動半径が狭くて、一目で見渡せるこの街並みの
中からほとんど外へ出ないことが舞台のお芝居のような印象を
与えるのです。

 それと、カメラワークで遊んだり回想シーンで過去を再現したり
といった映画的な手法をあまり使っていないこともあって
面白いけれど映画的な醍醐味は物足りない作品になりました。

 別な見方をすればほとんど映画的な手法を使わずに役者の
芝居だけで2時間以上も楽しませるというのは三谷幸喜監督に
しっかりした演出力がある証でしょう。

 出色はやはり佐藤浩市演じる売れない役者・村田です。芝居は
はっきりいってクサくてあまりお呼びがかかりません。しかし
プライドは人一倍高く、映画への愛も誰にも負けません。

 そのどこか憎めない人柄のおかげで裏方さんの友人がたくさん
いて、結果的に裏方さんたちの協力によって窮地を逃れます。

 相手が本物のギャングとは知らされずにすっかり伝説の殺し屋の
役になりきって自分の演技に酔いしれるところが笑いを誘います。

 映画の現場で使う用語や役柄に入り込んで出てくるアドリブを
ギャングたちが都合のいい方に解釈してくれるのもおかしいです。

 自分はだまされていて初主演映画の話は嘘だと知った彼は
しかし嘘の撮影で自分が写ったシーンを偶然目にします。

 曲がりなりにも自分が主役としてスクリーンに映し出されている、
そのときの感激が心に響きます。

 その他の出演者も適材適所だと思います。

 ただ、自分の命を救うために嘘をつき通す備後(びんご)役の
妻夫木聡は「お調子者で口だけは達者」な感じをもうちょっと前面に
出してほしかった気がします。

 芝居が「受け」の方が多かった印象ですが、もうちょっと自分から
攻めていく方が面白かったのではないかと思います。

 備後を慕う鹿間夏子役の綾瀬はるかは、一途な女の役がやっぱり
よく似合うと思いました。

 ぎこちなく映画スタッフのふりをしたり、銃弾が当たったふりを
わざとらしくやってみたり。演技の経験がない夏子が備後を
助けるために必死に芝居をするところが健気でもありおかしくも
あります。 


タグ:綾瀬はるか
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