SSブログ

「レッドクリフPartⅠ」「ワールド・オブ・ライズ」「007/慰めの報酬」 [映画]

「レッドクリフPartⅠ」「ワールド・オブ・ライズ」「007/慰めの報酬」

 忙しくてまた更新が滞っていました。1月に見た3本の印象を書きます。


 「レッドクリフPartⅠ」

  見る前の印象・・・登場人物が多くて物語が複雑なのでは?トシの
           頭で話について行けるだろうか心配。

  実際に見て・・・・話の構造がとても分かりやすくて良かった。

   登場人物それぞれの個性を活かした見どころがあるが、柱となる
   人物とその周辺の人物との役割分担がはっきりしていて物語の
   大きな流れに集中して見ることができた。

   大作だけれど大味ではなく、ジョン・ウー監督の演出を堪能できた。
   
   正攻法の娯楽映画。


 「ワールド・オブ・ライズ」

  テロリストに対する諜報活動を描いた映画。レオナルド・ディカプリオと
 ラッセル・クロウが共演、リドリー・スコット監督だけに見せ場がたっぷり。

  常に身の危険にさらされている緊張感。大きな目的のためには手段を
 選んではいられない(人道的でない手段も時には必要)、そして一瞬の
 躊躇が全部を台無しにしてしまいかねないという緊迫感がある。

  レオナルド・ディカプリオが好んで演じる役柄の中に「自分の正体を
 偽って違う人物になりきる」役というのがあるようだ。(「キャッチ・
 ミー・イフ・ユー・キャン」「ディパーチャー」など)

  また、肉体的に痛めつけられボコボコにされる傾向もある。

  ケイト・ウィンスレットとの再共演が話題の「レボリューショナリー
 ロード 燃え尽きるまで」では割と普通の役を演じているようだが
 すごく地味な映画という印象があり見るかどうか迷ってしまう。


 「007/慰めの報酬」

  トシがいつも新作を心待ちにしている長寿シリーズ。

  どの作品も世界各地で撮影され、アクション・シーンも盛りだくさん。
 お金をかけただけの事はあるなと感じさせる。

  作品の出来の良し悪しはばらつきがあるにせよ、映画館のスクリーンで
 見るのにふさわしい娯楽映画だ。

  今回はボンド役にダニエル・クレイグが抜擢されての2作目。前作で
 歴代のボンド役とは全く異なるボンド像を体現して見せたクレイグが、
 肉体的・精神的にタフだけれど心に深い傷を負ったボンドを見事に
 演じている。

  物語について言えば、もうネタが尽きたのか?と思う。今まで
 一話完結が原則だったこのシリーズで初の“続編”というのは、
 新しいネタが思い浮かばなかったことの裏返しとも受け取れる。

  恋人と死別したボンドが復讐を果たすのか?というところに焦点が
 当てられているが、ボンドを血の通った人間として描く上では
 良いとしてもシリーズの性格からすると違和感がある。

  そういえばティモシー・ダルトンがボンドを演じた2作目に当たる
 「消されたライセンス」は友人のために敵を討つような話だが、印象に
 残らない1本だった。

  「慰めの報酬」に話を戻すが、陸・海・空の派手な追跡や肉弾戦、
  大量の火薬を使った爆発など見せ場には事欠かない。この種の映画では
  お約束のパーティーへの潜入もある。でもそのいずれもが平凡。

  アクションがそれなりに凄そうに見えるのはわざとカメラを手ぶれ
 させたりとか細かいカット割りとかの小手先の技術でそう見せている
 だけで、やっていることに目新しさは無かった。

  マット・デイモンのジェイソン・ボーン・シリーズなど強力なライバルが
 出現している昨今、老舗の「007」は苦戦を強いられている気がする。

  終盤の盛り上がりも今一つに感じた。結末だけは女王陛下に忠実な
 ボンドというのを明確に打ち出していて納得できた。    


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」 [映画]

「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」

 ベン・スティラー主演のアクション・コメディーです。

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



 ベン・スティラー自身が長年温めていた企画ということで、脚本・
監督も本人によるものです。

 コメディアンの印象が強い人ですが、経歴を見ると演技だけでなく
製作・脚本・監督としても活躍していることが分かります。

 彼自身の監督作品「ズーランダー」を見たことがあるのですが、
残念ながらあまり印象に残っていません。日本語字幕の付かない
場所で見たのでトシの理解力が追い付かなかったのかもしれません。

 今回の「トロピック・サンダー 史上最低の作戦」は存分に楽しめました。
多分、字幕なしで見てもかなり楽しめる映画ではないかと思います。

 

 戦争映画の撮影中に予算が無くなり、製作続行が危ぶまれる中、
役者たちがジャングルの中に置き去りにされます。

 それは役者たちから現実感のある演技を引き出す手段だった訳
ですが、運悪くそこは麻薬組織の縄張りで、本物のゲリラが出現。
それでも撮影だと信じている役者は演技を続け・・・。

 設定は三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」に通じるところが
ありますが、「トロピック・・・」の方がトシは好きです。

 こちらの方が撮影現場の感じがよく出ているし、業界の裏事情
みたいなものも垣間見れます。何より映画的な見せ場が満載です。

 

 ひとつ納得いかなかったのが、麻薬組織のボスが子供だという
設定です。どうせやるならボスを大人の思い切り怖い役にして
ほしかったです。

 いろいろな映画のパロディーが満載の映画なので子供という設定にも
元ネタがあるのかもしれませんが、トシはそれが思い当たりません。

 しかし全体としては、どうせおバカ映画だから・・・という軽い
ノリではなく、何もかも本格的にやっていて見応えがありました。

 

 出演者も超豪華。ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・
ダウニー・Jrの3人がそれぞれの個性を活かした役を演じている他、
大物俳優たちが多数登場します。

 その中でもトム・クルーズの見事な化けっぷりが印象的でした。
あの二枚目俳優がここまでやるか?という驚きがあります。

 俳優という仕事、映画産業そのものをネタにした映画ですが、
それぞれの役者が役に成りきっている感じが伝わって来ました。
撮影現場はきっと楽しかっただろうと想像できます。

 ベン・スティラーの、監督としての才能も感じました。ただの
ドタバタ喜劇として見るにはもったいない、中身の濃い映画でした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ICHI」「ハッピーフライト」 [映画]

「ICHI」「ハッピーフライト」

 最近見たのはトシのお気に入り綾瀬はるかの新作2本です。

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



「ICHI」

  

故・勝新太郎の当たり役である座頭市の物語を、主人公を女性にした
大胆な脚色で映画化。

 しかし結論から言うと、意欲は買いますが「ICHI」には物足りなさを
感じました。

 盲目の旅芸人・市と、刀を抜けない侍・十馬(とうま)。心に傷を
負った二人が出会い、しだいに心を通わせる・・・。

 物語を整理すると、1.刀を抜けない十馬がそれを克服するのか
2.十馬と市の恋は成就するのか 3.市は父と慕う人物に再会できるのか

 この3つの問いかけに対する答が終盤の山場になる構成になっています。

 二人の物語に宿場町の抗争を絡めることで殺陣も見せ場となり、
静と動の両面を織り交ぜた、時代劇らしい映画なのは確かです。

 残念なことに2時間の上映時間が間延びした印象を与えます。そんなに
複雑な話ではないはずなのに、どこかもったいつけていて物語がなかなか
前に進まないじれったさというのが感じられました。

 十馬が刀を抜けなくなった原因となる出来事は取って付けたような
印象でしたし、市と十馬が心を通わせるようになる過程も大ざっぱで、
この映画ならではの印象的な場面がありませんでした。

 もっとドラマチックな映画を期待していたのですがいまひとつ感情移入
できなかったし、何もかもが中途半端であとひと工夫ほしかったです。。

 悪党どもを次々と斬り捨てる爽快感か恋の切なさかのどちらか一方でも
上手く表現できていればなかなか個性的な映画として印象に残ったの
ではないかと思います。

 映画の出来に対する不満はいろいろありますが、だからといって主演の
綾瀬はるかに対する評価を下げようとは思いません。

 「僕の彼女はサイボーグ」では瞬きをしないで無表情のまま大の男を
投げ飛ばしていました。美しい外見との落差が良かったです。

 今回も瞬きをしない、感情を表さない、大の男を相手に立ち回りを
演じるといった部分では確かに共通します。でも二番煎じとは感じません
でした。市には市なりの魅力がありました。

 映画の中のほとんどの場面でぼろぼろの服を身にまとっているのですが、
それでもどこかに美しさを感じさせるし映っているだけで絵になります。

 それまでは誰にも心を開かなかった市が、十馬と出会ってからは
微妙な変化を見せる。その部分を上手く演じていました。

 他の出演者もそれぞれが持ち味を生かしていい芝居を見せてくれました。 



「ハッピーフライト」

 

 「ウォーターボーイズ」が結構好きな映画だったので、矢口史靖監督の
この新作を見るのが楽しみでした。

 一種の航空パニック映画とでもいいましょうか。少々古いネタで申し訳
ありませんが「大空港」が元祖でその後「エアポート」ナントカという
タイトルの付く映画が何年周期かで作られていました。

 また、「フライング ハイ」という、パロディ満載のおバカ映画も
ありました。

 独特のユーモア・センスがある矢口監督だけに、「フライング ハイ」の
ような笑える映画を期待して見ました。

 残念ながらコメディーと位置付けられるほど笑いの要素が多くはなく、
笑いの強烈さも足りませんでした。それでも肩の凝らない娯楽作品
としてまあまあ楽しめます。

 旅客機の運行に関わる様々な職業に就く人々の群像劇。事前に
十分取材したと思われ、その成果が随所に表れています。

 一般人が普段見ることのできない業界の裏側を、ホノルル行き
1980便の定刻離陸・安全運航という話に集約して描いています。

 全日空をはじめ関係機関の全面的な協力により現実感を出すことに
成功しています。

 業界用語をセリフに溶け込ませたり、適度に専門的な内容にしながらも
素人が見て難しいということはありませんでした。

 各持ち場のスタッフが日常的あるいは突発的な障害に遭遇したとき
どうやってそれを解決していくかが見ものです。

 新人・中堅・ベテランの人物配置が適材適所で、個性もよく出ていました。

 特に、中堅でも手に負えない客とのトラブルを解決する、チーフパーサー
役寺島しのぶ、グランドマネージャー役の田山涼成などが“仕事には厳しいが
いざという時頼りになる上司”をうまく演じていたのが印象的です。

 映像的には目新しさは感じませんでした。本物のジャンボジェット機や
本物の制服、空港でのロケが現実感を感じさせてくれることは間違い
ないのですが、この映画ならではの個性は感じませんでした。

 あと、離着陸や空中での場面ではいかにも模型を使って撮影したと
分かる場面もあり、迫力不足を感じました。

 全体としては独自の視点というのはあまり感じないもののそつなく
まとまっており、笑いやちょっと感動的な場面もある娯楽映画です。

 トシのお気に入り綾瀬はるかは国際線初フライトのCA役。「僕の
彼女はサイボーグ」や「ICHI」とは違った、少々おっちょこちょいの
役柄で、これはこれで魅力的な役でした。

 親指を立てる「グー!」の決めポーズが効果的に使われていました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

9月・10月に見た映画 [映画]

9月・10月に見た映画

 更新をさぼっている間にまた本数が溜まってしまいました。今回は4本。
「20世紀少年・第一章」「ウオンテッド」「ゲットスマート」
「アイアンマン」について、一気に書いてみたいと思います。

 今回はコミックの映画化またはTVシリーズからの映画化、そして
続編が制作中あるいは制作予定という共通点がありました。

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



 「20世紀少年・第一章」


  浦沢直樹のベストセラーコミックをオールスター・キャストで
 実写映画化した大作。

  原作者であり脚本にも加わっている浦沢直樹、そして監督の堤幸彦は
 それぞれ1960年、1955年生まれ。

  主人公たちの少年時代が描かれる1970年ごろの描写には彼らの
 実体験が反映されているでしょう。

  同世代のトシにとって、1970年ごろの場面はとても懐かしい
 気分にさせてもらえるものでした。

  アナログレコードの「エーゲ海の真珠」、空き地に作る秘密基地、
 鼻たれ小僧、アポロ11号の月着陸、万国博覧会、等々・・・。

  物語は主人公ケンヂを中心とした幼馴染の少年時代と現在の場面を
 うまく織り交ぜて展開します。

  三部作の第一章なのでどうしても説明的な部分が多くなってしまう
 こと、登場人物が多いことなどからトシは話に付いていくのが
 大変でした。

  謎がいっぱい残されたまま終わりますが、第一章がなかなか面白かった
 ので第2章・第3章も見るつもりです。



 「ウオンテッド」

  予告編を見たとき、なんだか「マトリックス」みたいな映画だなと
 思いましたが、実際そうでした。

  真似をしたのかどうかは知りませんが、物語や映像に共通点が
 多いのは間違いありません。

  「マトリックス」を見た時は斬新な感じがしたし、独自の世界観に
 引き込まれました。

  でも残念ながら「ウオンテッド」は二番煎じにしか見えませんでした。

  そして物語のいたるところにご都合主義が感じられるし、
 作り物っぽさが目立ちます。

  どんな大けがも治してしまう回復湯。自動車を宙に浮かせたり
 弾道を曲げたり。あるいは生身の人間が隣のビルめがけて
 一直線に飛んで行ったり。

  そもそも暗殺組織“フラタニティ”の成り立ちが怪しくて、
 本当に正しいことをやっているのかどうかも分かりません。
 
  「ハンコック」同様、神を軽々しく引き合いに出していることや
 いかにも作者が頭で考えたという感じの物語がトシには受け入れ
 難かったです。

  「ハンコック」も“フラタニティ”も、人間離れした力を持つ彼らが
 居たところで世の中は大して変わらない、という点で共通します。
 何世紀かかっても悪は根絶できないのです。

  それはともかくとして、物語を気にせず“殺し屋ごっこ”の
 映画だと思って見ればそこそこ楽しめます。

  アンジェリーナ・ジョリーが謎の殺し屋役を楽しみながら
 演じている風なのが印象的でした。

  それに比べるとジェームズ・マカヴォイ演じる主人公は
 影が薄かったです。



 「ゲットスマート」

  1960年代のテレビシリーズの映画化。スパイ・アクション・
 コメディーとしてまあまあ面白かったです。

  笑いのつぼをうまく押さえた場面が散りばめられていて楽しめました。

  この映画も至る所にご都合主義な部分がありますが“おバカ映画”と
 最初から割り切って見ればそんなに気になりません。

  アン・ハサウェイ扮する整形美女のエージェント(スパイ)とコンビを
 組むことになった主人公をスティーブ・カレルが好演しています。

  最初は対抗意識をぶつけ合いウマが合わなかった二人が、任務の過程で
 協力し合い、相手の窮地を救ったり逆に助けられたり。そして恋に落ちる
 ・・・という話はありきたりではありますがトシは好きです。

  スパイ・コメディーで思い浮かぶのが「オースティン・パワーズ」と
 「ジョニー・イングリッシュ」です。それぞれ好きですが、今回見た
 「ゲットスマート」も同じくらい好きになりました。

  他の二人と比べて特徴的なのは「ゲットスマート」のマックス・スマートが
 実は超優秀なことです。

  現場に出るのが初めてであるが故の失敗はもちろんあるのですが、
 転んでもただでは起きないというか、機転を利かせて物事を有利に進める
 能力を持っています。そして決めるべき時はばっちり決めます。

  主人公とヒロインが魅力的に描かれていたのはもちろんですが、
 他の出演者も個性豊かな顔ぶれでそれぞれの持ち味を生かしていました。

  シリーズ化されたらぜひ次回作も見たいと思います。



 「アイアンマン」

  マーベルの人気コミックの映画化ですが、主人公が自ら開発した
 パワードスーツを身に付けて闘うところが特徴です。

  そのパワードスーツですが、完成するまでの過程を丹念に描き、
 先端技術と財力、それにエネルギー源があれば本当に作れそうと
 思わせるだけの説得力のあるものになっており秀逸です。

  トシの知る限り、パワードスーツについてこれほど精密・詳細に、
 そして概念として違和感なく描ききった映画は他にありません。
 
  ロボットの中に人間が入って操縦するのではなく、人間の手足の動きを
 機械が補助する頑丈な鎧のようなものが本来のパワードスーツだと
 思います。そこに武器や飛行能力を付け加えたものがアイアンマンです。

  今年見た「スターシップ・トゥルーパーズ3」でがっかりしたのは
 パワードスーツのお粗末な描写です。映像的にはCGで描いたロボット
 としか言えないものでした。

  「アイアンマン」で、やっと質感・動き共に現実感のある、まともな
 パワードスーツを見ることができました。もうそれだけでも満足です。

  娯楽映画ですが軍事産業が国益に貢献しているアメリカの現実や
 テロとの戦いについても描いており、平和について考えさせる
 物語になっています。

  この映画も続編が期待できそうです。  


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

新宿プラザ劇場で「タイタニック」 [映画]

新宿プラザ劇場で「タイタニック」


 新宿歌舞伎町の大型映画館として39年間親しまれてきた、
新宿プラザ劇場が閉館しました。


 封切り映画の上映は10月31日に終わり、11月1日から
今日(7日)まで日替わりで過去の名作映画が上映されました。

 新宿プラザ劇場ラストショーと銘打たれたこの特別上映では
「ベン・ハー」「2001年宇宙の旅」「ゴッドファーザー」
(PARTⅠ~Ⅲ)「トップガン」「サウンド・オブ・ミュージック」
そして「タイタニック」が上映されました。

 いずれも名作・大作で、そして大きなスクリーンで見るのに
ふさわしい映画です。

 トシはどの作品も大好きですがその中でも「タイタニック」は
ベスト・ワンに推したいほど好きな作品です。

 DVDがあるので見たければいつでも見られます。しかし映画館、
それも大きなスクリーンで見る機会というのはこの先あるかどうか
分かりません。

 今日たまたま仕事が休みだったのでこのラストショーを見てきました。

 見て良かったです。泣けました。久しぶりに見たこともあって
新鮮な気持ちで見られたしまた改めて感銘を受けました。

 3時間を超える長い映画なのに長さがちっとも苦痛ではありません。

 

 今日は空席がたくさんありましたが、来場客の多くは熱心な
映画ファンと見受けられる人々でした。

 館内の様子を写真に収める人。劇場スタッフに声をかける馴染み客。
みんなそれぞれ名残惜しそうにしていました。

 DVDや高画質テレビが普及して、映画館に足を運ばなくても
一般家庭で手軽に映画鑑賞ができる時代になりました。

 それでもトシはまだ映画館派です。ホームシアターがどんなに
高画質・高音質になっても、映画館で見る方が魅力的です。

 新作情報の中から見たい映画を選び、どこで見ようか、いつ見ようか
決めてから出かけるのが普通です。

 自分の都合を映画に合わせて映画館に向かう訳ですが、そこでは
最良の状態で映画を観賞する環境が整えてあります。

 席に着いて、場内が暗くなる時には、もう心の準備は万端です。

 ホームシアターとは決定的に違う大きなスクリーンや映画に集中できる
環境に加えて、大勢で同じ作品を見るということも映画館の魅力の一つです。

 大勢で笑ったり泣いたり、ハラハラドキドキしたり。その場に
居合わせた他人同士でも感情を共有できるところがいいです。

 きっと今日同じ映画館で同じ映画を見ていたみんなもそう感じている
のでは無いでしょうか。

 映画は映画館で見たい。大作映画ならそれにふさわしい大きい映画館で
見たい。そんなトシにとっては大劇場というのは存在価値が大きいです。

 もともと都内には1000席以上の映画館が数館しか無かったのに、
その一つが閉館してしまうのはやっぱりさびしい気がします。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「闇の子供たち」 [映画]

「闇の子供たち」

 非常に重いテーマを真正面から描いた阪本順治監督作品。
 

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



 人身売買・児童売買春という、およそ娯楽にはなり得ない深刻な
題材についての映画ですが、そんな題材に日本映画界でトップクラスの
監督や俳優たちがガチンコで取り組んだ意欲作です。

 監督や出演者たちの、腹を据えた覚悟のようなものがひしひしと
伝わって来ます。

 物語の舞台はタイ。観光や経済・産業等で日本との縁が深い国です。
トシは観光で何度も訪れただけでなく、バンコクに4年間住んで
語学学校で日本語を教えた経験があります。だからトシにとっても
ただならぬ縁があります。

 観光で訪れる分には物価の安さ・タイ人の人懐っこさ・おいしい
タイ料理・海の奇麗なリゾート・等の魅力を満喫できます。

 ほとんどの日本人は短い滞在で表のいい部分だけを見て満足して
帰ることができます。

 しかし裏の部分では人身売買や児童売買春といった犯罪が行われて
おり、客として加害者に加わる日本人も存在する、という現実を
この映画は暴いています。(原作は梁石日 ヤンソギルの同名小説)

 目を背けたくなるような現実です。物語では新聞記者やNGOの
スタッフがその現実に直面します。

 日本人の子供への臓器移植のために闇ルートで臓器売買が
行われていて、しかも臓器提供者となる子供は生きたまま
臓器をえぐり取られるという信じられない情報を得ます。

 誰だってそれを知ったら止めさせたいと思います。しかし事は
そう簡単には行きません。

 臓器売買は組織的に行われていて、マフィアや執刀医、見て見ぬ
ふりをする汚職警官などが関わっています。阻止するということは
それらすべての相手を敵に回すということです。

 うかつに行動すれば自分の命も危機にさらすことになります。個人の
力ではどうにもできないし、よほど決定的な証拠をつかまない限り
摘発もできないでしょう。

 そのことで苦悩する日本人を江口洋介と宮崎あおいが熱演しています。
  
 タイ人との会話はタイ語で行われます。片言ではなく普通に意思の
疎通ができる程度のタイ語のせりふを、この二人は吹き替えなしで
ちゃんと自分で話していました。それだけでも苦労があったのでは
ないでしょうか。

 役者がちゃんとタイ語を話していることに加えて、オール・ロケと
思われる映像と音が映画に現実感を与えています。

 ただ、最後まで現実感が貫かれているかというとそうでもなく、
いかにも映画的な演出が施されている部分もあります。

 ちょっと違和感のあった場面がいくつかありました。物語はバンコクの
他にチェンマイ・東京でも展開するのですが、登場人物がいとも簡単に
移動しているように見えます。

 バンコクの社会福祉センターの主要なスタッフが、失踪した少女が
いると思われるチェンマイまで行きます。しかし何百キロも離れた
チェンマイへ、センターを留守にしてみんなで出かけるのはちょっと
不自然な感じがしました。

 同様に、バンコク在住の記者が臓器を提供される子供の親に会うため
東京に行くのですが、東京にいる記者でも用が足りるのでは?と
思うし、NGOのスタッフまでが旅費をかけてそれに同行する必然性が
あるのか?などもちょっと疑問でした。

 あと、終盤に始まる唐突な銃撃戦。見せ場を作るために無理やり
入れた場面という感じがします。

 そういった部分のおかげか、ドキュメンタリーではなくあくまでも
ドラマなのだという意識で見られることがむしろ救いになっている
かもしれません。あまりに現実的だったら直視するのが苦痛でしか
ないでしょう。

 最後は犯罪組織が摘発され、児童買春の客の外国人も逮捕。拉致
されていた児童は救出されます。一応映画の中では一件落着ですが
そんなに簡単に問題が解決しないであろうことは映画の作り手も
観客も分かっています。

 需要があるからそれに付け込んで金儲けを企む輩がいる訳で、
需要が無くならない限りこの問題は続くのです。

 いずれにせよ、人身売買などの根の深い問題を、他人事と看過
することのできない現実として観客に突きつける、非常に力のある
作品です。心に訴えかけるものがありました。 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ダークナイト」 [映画]

「ダークナイト」

 「ハンコック」のお気楽さにあきれた後は、「ダークナイト」で
お口直し。ヒーローを描いた映画でもまるで趣が違います。
 

 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



 カタカナで読むと真っ暗な夜を連想しますが、この映画のナイトは
knightすなわち騎士を意味しています。

 バットマンの映画なのにタイトルがバットマンではなく「ダークナイト」。
それでいてこの映画を一言で言い得ているのが見事です。

 2時間半という長さにもかかわらず最後まで緊張感が続き、この映画
独特の世界に引き込まれました。

 最近、予告編で主要な見せ場を出してしまって本編を見たときに
物足りなさを感じる映画もありますが、「ダークナイト」は予告編で
紹介されなかった見せ場もたっぷりあります。
 

 この作品の成功はみんなが口をそろえて言っているように、急逝した
ヒース・レジャーの演技によるところが大きいです。

 彼の演じたジョーカーが出色の出来です。犯罪そのものが彼の楽しみで、
人が死んでも心が痛まないような異常さに加え、次にどんな行動に出るか
全く予想できない不気味さがあって怖いです。

 これほどの敵役はめったにいません。「羊たちの沈黙」のレクター博士
以来ともいえる強烈な印象が残ります。やっぱり敵役が手強ければ手強い
ほど映画が面白くなります。

 ジョーカーが悪事を働くとき、機械がうねりを上げているような、
形容しがたい音が効果音として流れます。

 やがてその効果音が聞こえてきただけで画面に緊張と不安を感じる
ようになってしまいました。


 物語は複雑でなおかつ荒唐無稽です。

 香港に帰った容疑者を誘拐してゴッサム・シティーに連れ戻すあたりの
荒唐無稽な展開やハイテクの使用、装備は「ミッション・インポッシブル」
シリーズや007シリーズを連想させます。

 そんな荒唐無稽さがありながらも全体としては人間がしっかり描かれた
ドラマという印象があります。

 真実を伝えないことは不正義なのか?という問題提議があります。また、
自分が生き残るために他人を殺してもかまわないか?とか、復讐の念に
かられた者が堕ちていく姿とか、考えさせられる場面が多いです。

 クリスチャン・ベール演じるブルース・ウェイン=バットマンも
もちろんいいのですが、それよりもバットマンを陰で支える補佐役の
マイケル・ケインとモーガン・フリーマンの二人がいいです。この
二人が脇をしっかり固めていて映画に厚みを加えています。

 娯楽としても見せ場がいっぱい、そしてドラマとしても見応えのある
作品でした。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ハンコック」 [映画]

「ハンコック」


 ウィル・スミス主演のアクション・コメディー。特にお勧めでは
ありません。 全く違う種類の映画なので比べてもしょうがないですが、
前作「アイ・アム・レジェンド」の方が良かったです。


 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



 ウィル・スミス主演のアクション・コメディーといえば「バッドボーイズ」
シリーズや「メン・イン・ブラック」シリーズがあります。

 興行的には成功しているのかもしれませんが、トシはこれらの作品群は
(「ハンコック」も含め)あまり好きではありません。

 一応悪を退治する役柄ですが、映画全体を貫く軽さ・ばかばかしさ、
主人公が目的のためなら他人の迷惑を顧みないという無神経さなどに
トシはついていけません。

 「ハンコック」では行き過ぎた行動を自制して真のヒーローに
なれるのか?というところに焦点を当てていますが軽さは最後まで
貫かれています。

 コメディーは基本的に好きなのですが、ここまで薄っぺらで能天気だと
ただあきれるばかりです。

 その軽さや能天気さこそがウィル・スミスの持ち味で魅力だと思っている
人が見に行くのであれば全然かまいません。

 ただ、見終わった後に少しでも何か心に残るものが欲しい人は見ない
方がいいでしょう。

 予告編では主人公ハンコックが凶悪犯をやっつけるために街を破壊
しながら飛び回ったり、踏切で立ち往生した車を救出した直後に自分自身が
機関車と衝突したりといった場面が紹介されます。

 実は大きな見せ場と言えば予告編で紹介された場面がほとんどです。
そこにも物足りなさを感じます。最近の映画ってそういうのが多いです。

 踏切の一件で命拾いした宣伝マンが恩返しに、嫌われ者ハンコックの
好感度を上げる作戦を提案します。最初は乗り気ではなかったものの、
宣伝マンの息子がハンコックになついていることもあって提案を
受け入れます。

 嫌われ者だった彼が更生しヒーローになるまでは予想通りの展開ですが
後半、彼はそもそもどこから来た何者なのかという話になっていきます。

 その内容ですが、確かに意外性はありますがいかにも脚本家が頭で考えた
という内容で、不自然さが目立ちます。

 宣伝マンの(再婚の)奥さんとハンコックが実は何千年も前から夫婦で
世界を守るために活躍していたという設定です。当然彼女も空を飛べるし
超人的な力を持っています。

 注射の針が刺せないほど頑強な体をしているはずですが、宣伝マンの夫が
それに気付かなかったというのはありえないでしょう。

 ハンコックと彼女は対になって活躍する「天使」のような存在で
互いを引き寄せるものだと言っておきながら、近づくとその超人的な
力が損なわれるというのは一体どういうことでしょう。

 矛盾しているし、天使とか神とかいう存在についてあまりにも軽々しく
語られることに抵抗を感じました。

 彼女は80年前にハンコックが記憶喪失になったのをいいことに
普通の人間として生きる道を選んだといいますが、神からの使命で
天使として生まれたのなら無責任この上ないです。

 登場人物の言動からも映画全体の主張からも神への畏敬の念が
全く伝わって来ません。いくら作り話でもここまで能天気でいいのか
大いに疑問でした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ハプニング」 [映画]

「ハプニング」


 M・ナイト・シャマラン監督が独自の発想で描いたサスペンス。


 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。



 M・ナイト・シャマラン監督は低予算で一定水準の映画を作る優れた
才能の持ち主だと思います。

 例えば宇宙人の侵略による人類滅亡の危機という題材を与えて「さあ、
好きなように映画を作りなさい。」と言われたとします。

 スティーブン・スピルバーグ監督ならばお金を湯水のように使って
大がかりな仕掛けや特殊効果満載で「宇宙戦争」を作り上げるでしょう。
宇宙人の侵略を可能な限り視覚的に描いて怖がらせます。

 しかしシャマラン監督なら同じ題材でも特殊効果をほとんど使わずに
「サイン」を作ります。宇宙人の侵略を観客の頭の中に構築していくのです。

 良くできた脚本と演出力があってこそだと思います。画面上は日常生活の
範囲に限りなく近いものを映し出しているのに観客には特殊な状況を
思い描かせるのです。

 本作では自然の脅威が人類を滅亡させようとしている状況を描いて
いますが、視覚効果に頼るのではなくあくまでも役者のせりふと演技で
観客に状況を想像させます。費用対効果が抜群に良いと思います。

 地球的規模の異変を描いていますが画面上では主人公の身辺や、ごく
狭い範囲のことだけを描き、補足としてテレビや電話からの情報を
入れることで最小限の説明は確保しています。

 この手法は「サイン」でも使われていましたが、宇宙人が一人二人
画面に現れるだけで、侵略とか攻撃についての具体的な場面が皆無
なのが不満でした。引っ張るだけ引っ張っておいて陳腐な結末で
お茶を濁しておしまい。がっかりしました。

 一方「ハプニング」では人類を襲う脅威が肉眼では確認できない
ものだと分かっているので大きな仕掛けが必要ありません。

 また、今人類を脅威にさらしているものは何なのかということよりも
まず脅威から逃げて生き延びることの方が差し迫った問題で、もう
それだけでサスペンスが成り立っているところが特徴です。

 この監督の作品はいつも起承転結でいう承の部分が延々と続き
なかなか結末につながりそうなものが見えてきません。

 それでもやっぱり最後まで見せてしまう力があります。超常現象を
見世物的に描くのではなく、それに直面した登場人物の心の動きに
重点を置いているから惹きつけるものがあるのでしょう。

 今回は高校で科学を教える教師が主人公です。彼が妻と共に危機から
逃れ、その過程で夫婦の絆を深めていくという物語が柱になっていて
うまくまとまっています。

 「自然界のことは完全に理解できることばかりではない。」という
達観した視点が根底にあり、それによって脅威についての種明かし的な
ことに余計な時間を割かなかったことも良かったと思います。

 (上映時間91分) 


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

夏に見た続編とパロディー [映画]

夏に見た続編とパロディー


 「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」「スターシップ・トゥルーパーズ3」
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」の3本の映画を
最近観ました。トシはSFやコメディーが好きなのでそれを反映した
映画の選択になりました。


 以下、例によってネタばれがありますのでご了承の上お読み下さい。


 


 見るからに低予算であっという間に撮り終えたと思えるのが
「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」(河崎実監督)です。

 題名で内容が想像できます。「日本以外全部沈没」がそうであった
ように、元ネタがまだ印象に残っている間に公開するというところが
重要で、見るのに“旬”がある映画です。

 内容的にはDVDや地上波のテレビで十分だと思います。旬のうちに
見るといっても映画館で1800円出すのはちょっともったいないです。
トシは1300円の前売り券でしたがそれでも高いと思いました。

 低予算・くだらない内容というのは見る前から承知しているので
画面の安っぽさや話のばかばかしさを批判する気はありません。

 不満な点は何かというと、単調で意外性のない展開、笑いの
少なさです。

 笑わせてこその映画だと思うのですが、爆笑を誘うというよりは
ちょっとしたくすぐり程度のギャグしか無かった印象です。

 「ザ・マジックアワー」(三谷幸喜監督)は設定や展開が強引
すぎて嘘っぽさが目立ったものの、笑わせることに関しては
大成功の映画でした。

 それと比べるとこの映画は期待外れです。

 サミット開催中に大怪獣ギララが北海道に突然現れ、大暴れ。
各国首脳がそれぞれ退治法を提案しては失敗します。

 提案→失敗 というパターンを各国首脳の数だけご丁寧に
繰り返していくわけですが、テンポが悪いし笑いも不発で
途中で飽きてしまいました。

 98分の上映時間は長く感じました。



 次に「スターシップ・トゥルーパーズ3」(エド・ニューマイヤー監督)

 トシは1も2も見ていないので前作と比べてどうというのは分かり
ませんが宣伝では「総製作費、CGシークエンス、バグズ・・・すべてが、
前作の3倍!」と謳っていました。

 「ギララの逆襲」よりお金が掛かっているのは間違いないし
それなりの見せ場はあったと思います。しかし・・・。

 B級映画としてそれほど期待せずに見れば良かったのですが、
「エイリアン2」(ジェームズ・キャメロン監督)ぐらいの
娯楽超大作を想像していたトシはちょっと落差にがっかりしました。

 CGの出来は一昔前の水準で、意図的にそうしたのかどうかは
分かりませんが古いSF映画を見ているような錯覚に陥りました。

 「原作で描かれていたパワード・スーツ“マローダー”が満を持して
登場」との触れ込みに一番期待して見たのですが、物足りなかったです。

 「トランスフォーマー」(マイケル・ベイ監督)の映像を見た後に
「スターシップ・・・」のパワード・スーツを見たら、見劣り
してしまいます。

 CGのバグズをCGのマローダーが攻撃する。役者さんの
出番が無くていいのでしょうか。アクション・シーンとしても
大味で不満が残りました。

 戦意高揚番組とか、地球連邦の総司令官が歌手として「死に日和
(A Good Day to Die)」を大ヒットさせて
崇拝されているとか、独特のユーモアで戦争を皮肉っているのは
なかなか面白いと思いました。



 「ギララ・・・」よりも「スターシップ・・・」よりもはるかに
製作費が掛かっているはずの「インディ・ジョーンズ クリスタル・
スカルの王国」(スティーブン・スピルバーグ監督)
ですが、
製作費に比例して面白かったかというと、そうでもありません。

 最後まで高揚感を味わえないまま終わってしまいました。

 実は途中で睡魔に襲われてしまい、うとうとしてしまいました。

 自分にしては珍しくビール片手での鑑賞だった訳ですがそれだけが
原因とは思えません。

 前3作ほど惹きつけるものが無かったような気がします。

 宇宙人が絡んでくるらしいというのは公開前から知らされていて、
ならば「未知との遭遇」や「宇宙戦争」を撮った監督だけに
何かすごいものを見せてくれるだろうという期待がありました。

 なのに期待に応えてくれるような宇宙人との遭遇の場面は
ありませんでした。

 では宇宙人とは違う何かの神秘的な力を見せられるかというと
それも肩透かしを食わされた気がします。

 1957年頃という設定で、ソ連との冷戦、赤狩り、核実験
などが描かれます。でもそれは物語の流れからすればあくまでも
枝葉に過ぎず、それが描かれたからと言って「だから何?」と
思いました。

 このシリーズらしく蛇や何万匹という昆虫が出てくるしクリスタル・
スカルをめぐって追っかけっこをしたり土人に追いかけられたりします。

 しかしそれもアトラクションとしての派手さがあるだけで
その場限りのものです。物語の面白さがそれで増すことはありません。

 クリスタル・スカルが人類にとってどのくらい重要なものか、
盗まれたスカルを元に戻すことにどんな意義があるのか、トシには
分からないままでした。

 もしかしたらトシがうとうとしている間に説明があったのかも
しれませんが、わざわざもう一度見て確かめたいとまでは思いません。

 昨年から今年にかけて、長い沈黙を破って3人の大御所がスクリーンに
帰って来ました。

 3人というのはマクレーン刑事(「ダイ・ハード」)、ランボー、
そしてインディ・ジョーンズです。

 トシにとっては、バージョンアップした「ダイ・ハード4.0」は
良かったけれど後の2本は今一つでした。沈黙したままでも
良かったのではないかと思います。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。